クレッチマーの類型論


 私たちは人格を「○○型」とか「○○タイプ」とパターン化することがよくあります。心理学ではこれを類型論と言います。
 類型論で最も古く有名なのが、二十世紀初頭のクレッチマーによってなされた研究です。
 クレッチマーは、八千人以上の精神疾患の患者の診断別に分類したところ、精神疾患の種類と体型との間に関係があることを発見しました。躁鬱病の患者には肥満型が多く、統合失調症の患者には細長型が多い。さらにこの二つほど明確ではないが、てんかんの患者には闘志型が他よりも多く見いだされました。
 クレッチマーはこの発見を健常者の性格についても結びつけました。すなわち三つの体型はそれぞれに対応する性格を持っているということが見いだされたのです。