暦学入門


六曜

●六曜とは  

 先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口、この六つの星を六曜と云う。私たちに特に馴染み深く、いたってポピラーな暦注である。 

 六曜の起源についてはよく解っていないが、もともと一ヶ月三十日を指の数である五つに分解して、六日ずつの小単位をつくり、その日を数えるためのものであったものが神格化され、それぞれに吉凶がつけられたのではないかと考えられます。

 日本には十四世紀頃、中国から伝わり、広く行われるようになったのは幕末以降のことです。

 

●六曜の意味

先勝(せんしょう / せんがち) 

 先んずれば即ち勝つの意。先勝日。もともとは速喜といわれていた日だから、早ければ吉、急げば幸運が舞い込んでくると云うこと。どの暦の解説にも「急ぐことよし、訴訟事よし」などと説明されている。

 午前中は吉で、午後は何事をするにも凶となります。

 

友引(ともびき/ゆういん) 

 凶事に友を引く、凶禍が友に及ぶ。友引日。古くは「勝負なき日と知るべし」とあり、もともとは何事も引き分けで勝負のつかぬ日とされていた。午前中と夕刻と夜は相引きで勝負なしの吉日。ただし昼は吉慶事に用いては凶となります。しかしこの日は凶事に友を引くで、葬儀を行うことは禁忌とされ、火葬場は休日となっています。

 

先負(せんぷ/せんまけ/さきまけ)

 先勝の逆で、先んずればすなわち負けるの意。先負日。どの暦にも「万事に平静であることが良し」と書かれている。もともとの言い方である将吉には、現在の様な先負の意味はなかったようです。昔は、大吉の次に配当される良い日とされていました。

したがって、勝負事や急用事はなるべく避け、控え目にして、相手の仕掛けてくるを待つのが良いとされる。また、午前は凶、午後は吉となる。

 

仏滅(ぶつめつ) 

 万事凶。葬式や法事は構わない。仏も滅亡するような最悪の日の意。仏滅日。もともと空亡をすべてがむなしいと違訳して物滅(ものめつ)となり、これが転じて仏滅となった。お釈迦様の命日とはまったく関係ない。この日は六曜の中での大凶で、祝事・法事など万事に凶で何事もうまくいかない。

 

大安(たいあん) 

 大いに安しんの意。大安日。「だいあん」とも読まれるが、昔は泰安と記されていたので「たいあん」の読みの方が適当と考えられる。暦の解釈には、万事にもちいて吉、成功せざることなき日、婚礼には特によい、などと書かれている。

 

赤口(しゃつく/しゃっこう/じゃっこう) 

 赤口日は、陰陽道でいう凶日の一つ。赤口は六曜の歴史の中で唯一変化しなかったもの。この日は、午の刻だけが吉で朝夕は凶。特に祝い事に大凶とされる。また、赤が火や血を連想させることから火の元に気をつけよともいわれる。また、大工や板前など刃物を持つ人たちは特に要注意の日とされた。