昭和二十三年 七赤金星 戊子歳


 昭和二十三年戊子歳七赤金星命を解説するに当たり環境は第二の運勢と言われるので当時の背景を想い浮かべながら進めて行きたいと思う。

 

 焼土と化した日本全土に復興の兆しが現れ国民にも活気がみなぎりはじめた頃だった。戦時中のモンペ姿もこの頃になるとチラホラで原色に近い派手な色彩の洋服姿が街を闊歩(かっぽ)するようになった。時代はまさに大きく変化を始め新しい時代となった。

 

 七赤金星と云う星は鉱石を超高温度で溶解し、高価な品物を作る力を示すことから貨幣を象する。貨幣の意味するものは経済となることから七赤金星は経済の指標を示す星と解される。

 「貧乏人は麥(むぎ)を食え」と言ったと云う故池田総理の「所得倍増計画」もこの時代であり、高度経済成長突入の発端はこの2年後、昭和二十五年五黄中宮年に起こった朝鮮動乱からだったと記憶している。

 

 七赤金星命の先天は(生れるまでに作られる宿命である)一白水星(性・氣)であることから一白の象意も表に出て来るであろうし、七赤を先天とする四緑木星(性、氣)の象意も内蔵することから四緑も現われ、又七赤の裏卦(うらのけ)である八白土星変化の星の象も併せ、その年の干支とその時代の背景も加味して、総合的判断とすることになる。  

 

 この年の干支は干を戊とし、支を子ね(ぼし)と読む。戊(ぼ)は、一に矛(ほこ)、二に茂(しげる)の意があり、生産力のある土を象している子(ね・し)は孳(ジ)で一に生む、二に繁る、茂る。

 戊子(ぼし)とは、矛(ほこ)を手にして積極的に殖(ふ)やして行く説と戊(つちのえ)自体が生産力のある力強い土で自然状況でも生物植物を殖産すると言う意になる。   

 

 その後の日本経済の推移からして、この年の七赤金星と干支の総合は象意そのものと思われるが、何か忘れていませんか?と疑念が残る。それは後年二十一世紀になって氣づいたことです。「心」を忘れていましたね。

 

*生まれた人 

 

都はるみ[歌手]、赤川次郎[作家]、篠ひろ子[俳優]、五木ひろし[歌手]、いしだあゆみ[歌手]、木原美知子[水泳]、つかこうへい[作家]、泉谷しげる[シンガーソングライター]、江夏豊[プロ野球]、黛ジュン[歌手]、沢田研二[歌手]、中山千夏[タレント]、前田美波里[俳優]、石田芳夫[囲碁棋士]、前川清[歌手]、井上陽水[シンガーソングライター]、ちあきなおみ[歌手]、大塚範一[アナウンサー]、由紀さおり[歌手]、谷村新司[シンガーソングライター]、村上春樹[作家]、さとう宗幸[歌手]