昭和五年 七赤金星 庚午歳


 或る有名女優さんが女性占者にあなたを守護する五行数、四と九の数字に該当するお金を浄(きよ)めればあなたの財が増殖すると云われ浄財の為、4900万円を持参したと云う話を聞いたことがある。

 七赤金星は金属が熱せられ溶かされて作られる貨幣を示すことから経済の消長にはこの七赤の遁甲(とんこう)を注意深く見守り推測することにしている。

 経済とは経世済民(けいせいさいみん)の略で社会の仕組みを改革して国民の生活を豊かにすることであると辞典にはあるが一向に楽にはならない。七赤金星のご利益にあづかりたいものだ。

 七赤の定位置は西の正位30°範疇(はんちゅう)で兌(だ)宮(きゅう)と言い。兌は?(りっしんべん)で悦(よろこび)言(ごんべん)で説(せつ)よろこぶと読み喜悦の星であることから恋愛問題、結婚、飲食、遊興などを表わす。人ではサービス精神旺盛な人で人気商売で成功した人はこの星生れの人が多い。

 

 納音(なっちん)占いで、この歳生れの人に路傍土(ろぼうど)とある。道路の土の意で道を形成する重要な要素で且つ、万人に親しまれて重宝がられるとある。

 を自然の姿に当てはめると山野の清流に草花の咲き乱れる憩いの場の沢(さわ)を象としている。

 

 さて、干支を分析すると、干は庚(かのえ)、支は午(うま)庚午(こうご)と読む。

 庚(こう)の原義は更(こう)であるとし、更新(こうしん)、更改(こうかい)の意とする。文字の姿は両手で杵(きね)を振りかざし木臼(きうす)の中の穀物を仕上げるため搗(つ)き続ける姿で「継続は力なり」を示す。

 午(ご/うま)は炎熱(えんねつ)の太陽が今まさに西に傾かんとする瞬間の時間帯を意味し、午前、午後の境目、陽と陰が交叉する一刻で憩いの時に入る瞬間を表している。

 干支では炎天下にも常に歓び勇んで努め励む姿が想像され、九星ではサービス精神旺盛で経済を心得た人とみるが、この星には虚飾(きょしょく)色情(しきじょう)があるので注意して欲しい。この星生まれの人は大体に於て生活を楽しんでいるように思われる。

 

 兌(よろこび)の象。特に経済、異性関係についたは自重し、虚飾に走らないよう「ゼイタクは敵」として自己確認すること。

 

*生まれた人 

 

梶山季之[作家]、 不破哲三[政治家]、 大賀典雄[ソニー社長]、 ハナ肇[タレント]、 京塚昌子[俳優]、 岸田今日子[俳優]、 和田勉[演出家]、 上坂冬子[作家]、 平山郁夫[日本画家]、 三波伸介(タレント)、 高島忠夫[俳優]、 野坂昭如[作家]、 三橋美智也[歌手]、 俵孝太郎[政治評論家]、 笹沢左保[作家]、 俵萌子[評論家]、 名古屋章[俳優]、 小田島雄志[英文学者]、 開高健[作家]、海部俊樹[首相]、 八千草薫[俳優]、 有吉佐和子[作家]