昭和十一年 一白水星 丙子歳


 一白水星命の定位は北の正位30°で坎(かん)宮という。

 大地にあいた穴で地中深いの意を持ち、この穴に落ち込むと出難いことから困苦低迷運気(こんくていめいうんき)とする説がある。

 北の正位は天高く厳然として光る北極星の存在することから最高の方位を示すとされ色素も白と黒を最高色とする。

 この坎宮に陽と陰の交叉する子(ね/水)があり、子を中央に壬(じん / 陽の水)癸(き / 陰の水)の対待(たいたい)は生産を表す。困苦低迷も生産の故にと解釈する。

 九星の遁甲(移動)経緯は確定順路で変更は許されない。遁甲中、中央の座に位置した星を持って生まれる。即ち一白が中央に位置した年に生れた人が一白水星命となる。

 この時、宇宙エネルギーの恩恵、先祖の加護、父親の慈愛を示す六白金星が一白定位の坎宮に回座し、南の正位に座泊する五黄土星と対峙し、暗剣殺凶方位と化すことから一白は六白金星の象とする天の恩恵が受け難いとして困苦低迷と言われている。

 

 さて、十年目毎に一白水星の年を迎える訳だが、この年の固有名詞干支について説明しよう。

 昭和11年の干支は丙(ひのえ / 火)子(ね / 水)である。天の啓示の干と地の訓導の支の象意が火と水で反対を教示している両者は対峙か、対処か、対照か、対生か、対話か、対待か、この判断、推測によって運命運勢に誤差を生じる。大変大事なところだ。

 ここで一白の特質が冷静、沈着、思念となる。この世界では「水剋火」と称し、火は水によって傷つけらる理論があるが、水は火力により湯となり、熱湯となり、蒸気とも化して水のエネルギーが増殖される。

 又、何事かに熱中し火の如く燃え、盛る思いを危うく寸前で止めてくれるのが水の性質沈着で、冷静なる思念判断ともなるので一概に水と火が相剋と片付けられない所もある。  

 互いに異なる縁をもつ者同士が出逢い相和強調して、新しい運命を開発する原理を学習することから占は異縁相対相和立命原理弁証法(いえんそうたいそうわりつめいげんりべんしょうほう)の学問だ!!とは少し誇張過ぎるかナ?


 困苦に出合っても「水は方円の器に従う」諺のように鳴呼無情と考えないで修行だと発憤努力してください。


*生まれた人 


長嶋茂雄[プロ野球] 、毒蝮三太夫[タレント] 、内山田洋[歌手]、横尾忠則[芸術家]、つのだじろう[漫画家] 、福田康夫[首相] 、桂歌丸[落語家] 、白川英樹[化学者] 、菅原洋一[歌手]、楳図かずお[漫画家] 、梶原一騎[漫画原作者]、北島三郎[歌手] 、大山のぶ代[俳優]、さいとう・たかを[漫画家]、山口崇[俳優] 、里見浩太郎[俳優]