昭和十四年 七赤金星 己卯歳


 昭和十四年の七赤金星命に確認を付帯したものはこの年生れの人のために付けたものではない。昭和十六年五黄土星年に太平洋戦争(第二次世界大戦)が始まったので当時の世情を背景に今後の注意事項として念のため記した。

 

 幸福を広辞苑で見ると「仕合せ」とあり(一)にめぐりあわせ、(二)機・会、(三)運命(さだめ)とあり幸とも書くとある。幸の字の成り立ちは人が両手に手枷を嵌められ直立した姿で罰則を受けている形である。長い時の経過の後、罪が許され手枷が解かれ開放感、自由感が得られ、これが「仕合せ」に結びつくこととなる。幸の字の頭の横一を除くと辛(つらい)その字が残る。幸とは長い辛抱の末に訪れるものである。

 

 さて、この世界の基本は易経と認識されているが占いの教本である。易を一言で表すと「変わる」と云う変化循環の学問で西欧では易経を「変化の教本」と訳している。いづれも説明の機を得ると思うが、この頃では詳しい説明をする紙幅がないので簡略な説明でお許しをこう。

 我々は生年月日生時の瞬間、先天(宿命)後天(運命)を背負って生を享ける先天とは単一細胞以前呱々の声を上げるまでの長い歴史の中でのDNAの総合したものと見る。 

 七赤の場合は一白水星である。七赤が生み出す星(子星)四緑木星。七赤の裏に隠されている星、八白土星など関連の星と時代の背景をも網羅して推測すると確率が高くなる。これに干支を合せ鑑定する。

 

 この年の干は己(つちのと)で、支は卯(う/きぼう)と読む。己の原義は紀(のり/おきて)又は起(おこる)とし、卯は「ぼう」と読み文字の成り立ちからは肉を二つに切り分ける意とか。冒(ぼう)の字を当てて「おかす」とか、茂(も)で「しげる」などの意がある。

 大意は正しい掟に従って起ち上り冒険を重ねながら繁栄してゆくことになるが納音占いでは城頭土で城の上の土。高貴を示すが内容の充実に努力せねば位負の惧れ有り、喜悦豊楽運の反省も含めて確認してください。

 

*生まれた人 

 

佐久間良子[俳優]、水島新司[漫画家]、2代目水谷八重子[俳優]、東京ぼん太[漫談]赤木圭一郎[俳優]、山本晋也[映画監督]、中村玉緒[俳優]、桂枝雀[落語家]、若林豪[俳優]、森本毅郎[アナウンサー]、五月みどり[歌手]、内田裕也[ミュージシャン]、小川真由美[俳優]、柳家小三治[落語家]、利根川進[分子生物学者]、水森亜土[イラストレーター]、加藤一二三[将棋棋士]、津川雅彦[俳優]、森村桂[作家]、益川敏英[物理学者]